参加者が野菜などを自分で収穫しておいしく食べる、農と食の体験イベント「とるたべる」を2人で主催。現在、杉山さんは美浜町の「萬秀フルーツ」での農業研修やアルバイト、橋本さんは農家でのアルバイトをしながら、2人で滞在型の農業拠点づくりなどを模索しています。
僕たちのやっている、『とるたべる』は、「畑はもっと楽しいし、おいしい。」をモットーにした、収穫体験とご飯会をするイベントです。たくさんの人に、もっと畑を楽しんでもらいたい、「農業」をもっと身近に感じてもらいたい。そんな思いでいろいろな人と協力したりもしながら、できるだけ定期的に開催しています。
「とるたべる」の最新情報はこちら(外部リンク)
http://toru-taberu.hatenablog.com/
杉山) 美浜町で暮らし始めたきっかけは、ご縁ですね。最初は、太田農園の太田さんとのご縁です
それまでも自分たちのあいまいな夢みたいなものがあって、一般の人にもっと農業を面白く伝えられないかなと二人で考えながら、でも何をしたいかはわからないというのがずっと続いていました。
北海道から関東・中国・四国・九州まで、全国各地を二人で車で旅をしながら、たくさんの場所や取り組みを見て回ったりしましたが、見て回ったどの場所も一⻑一短がありました。何かを求め続けるよりは、自分たちの好きな人のところに飛び込んじゃおうと。それで太田さんのもとに飛び込んできました。
住んでいて思うのは、今は2人とも違う農家でアルバイトをしていて、僕はフルーツが手に入るし、彼女の方は野菜が手に入る。太田さんからはお米もいただける。食べていくのには困らない、よほどのことがあっても生きていける町だなと思います。
橋本) もともと二人の中で、直生は山派で、私は海派だったんです。私はすごく海が好きで。
美浜町に住むと、⻄に行けば⻄に海があって、東に行けば東にもまた海があって、またその顔も違って。「夕方に行くのはこっちの海」とか「朝に行くのはこっちの海」とか、一人になりたいときには、海が近くにあるので一人でたそがれたり。とってもいい町だと思います。
杉山) 一週間の流れでいうと、大体週4日はフルーツ農家で研修をさせてもらって、2日はアルバイトをして、残りの1日はイベントという流れが多いです。
グレープフルーツなどのハウス柑橘類がメインの「萬秀フルーツ」さんで働いています。6次産業などに向けて先進的な取り組みをされているので、作物の育て方も含め、お客さんの呼び込み方やイベントの組み方、自分たちのブランド作りなどのために、そういったところをメインに学ばせてもらっています。
アルバイトは、夜に家庭教師と、常滑でホテルのフロント業務をしていて、それも将来、自分のやりたいことに役に立つかなという思いもあって続けています。
橋本) 私は週4日〜5日くらい、畑のアルバイトをして、休みの日は「とるたべる」のための料理の研究をしています。
また、「とるたべる」のためにというわけでもないですが、例えば今は各地の醤油をいろいろな所から取り寄せて、醤油ごとの個性を調べたり、どういったものに合うのかなといったことを試したりしています。
海の幸も山の幸もどちらもあり、食材が豊富なことも美浜町の魅力だと思います。
やりたいことがあって、それをやるための心の準備ができていれば、環境はそろっている場所だと思っています。何かをしたいという思いがある人に対しての、周りからのサポートもすごくあるし、応援してもらえます。
参考になる取り組みをしている農家さんや、他の業種で経験を積んで就農してきた人もたくさんいて、人材も揃っているし、地域との仲介役をしてくれる人もいるので、特に農業に関してはいろいろなことができるし、やりたいことを始めやすい地域だと思います。