旅とスノーボードが好きで、冬の雪山を中心にした生活の中で農業の魅力に目覚め、地元美浜町で農業をすることにしました。無農薬・自然栽培にこだわったお米や野菜、果物作りや、その魅力を活かした商品の開発、マルシェなどでのイベント出店などにも取り組んでいます。
大学時代から、スノーボードを中心に生活していて、ボードをするために、様々な仕事をしていた中の一つに農業がありました。最初は⻑野県のレタス農家で2シーズンほどお世話になり、勉強させてもらいました。
その後、北海道で2シーズンほど働いた時に出会った友達が元々名古屋の人だったんです。独立してトマト農家を有機農業で作っている彼のところで2年間、勉強させてもらって、そこで影響を受け、自分で農業をしようと考えて、地元に帰ってきました。また、北海道で出会った妻と、農家を始めた翌年に結婚をして、ここまで一緒に頑張ってきました。
はじめはわからないことだらけで、周りの農家さんや研修先の人に聞いたりと助けてもらいました。また、ここには新規就農者がたくさんいて、常に情報交換ができるので、その点も助かっています。
最初の頃は自分の農業機械もないし、何でも手作業でするのですが、周りの農家さんが農機具を貸してくれたり、機械で手伝ってくれたり、地域の人に助けてもらいました。
畑や道端で会ったら、農業者同士で立ち話もするし。農業者で集まってお酒を飲んだり、みんなで会議をすることもありますね。
“スーパーに売っている野菜の形が当たり前”というイメージをちょっと壊したいということもあって、例えば土が付いていることや、形がいびつだったり、大きかったり小さかったり、ニンジンだったら色が⻩色や紫だったり、そういったスーパーでは見かけない野菜にも触れて欲しいですね。きれいな野菜だけではない、畑をそのまま表したい思いがあります。
加工品にも力を入れていて、例えば、農園のみかんを使ったみかんジュースも作っています。販売の仕方も考えているところで、サイズを変えたりパッケージを考えたり。他にはキウイフルーツだったらジャムを作ったり、干し野菜を作ったりもしています。今、お米を使ったポン菓子づくりも考えています。
「nice time farming」Facebookページ(外部リンク)
https://www.facebook.com/mihamafarm/
農業を始めるときから”朝市”を一つの販売先として考えていて、作ったものを自分で直接お客さんに販売することが一つの販売先の目標・目的でした。
栄のオアシス で開催されている「オーガニックファーマーズ朝市村」(毎週土曜)、東別院の「てづくり朝市」(毎月28日)、あと相生山(天白区)の「徳林寺」というお寺の「つながりの朝市」(第二土曜)に出店しています。あと半田の「赤レンガマルシェ」(第四日曜)にも行っています。
基本的には名古屋に野菜を売りに行っていますが、都会の人にも知多半島や美浜町にもっと来てもらう試みができないかな、と考えています。高齢化で耕作放棄地が増えていて、これからもどんどん増えていく。かなり変わってきたとは思うのですけれども、畑と言うとやっぱりまだ高齢者のイメージがあります。
「農業」というだけではなく家庭菜園でも貸農園でもいいですが、街の人や、美浜町の人もですが、家庭菜園をする人がもっと増えて、みんなが畑に来てくれて、土と触れ合う時間があるといいなと思っています。
温暖な気候で、一年中野菜が栽培できるのが魅力ですね。獣害もないし、自然災害の影響を受けにくい地域ではないのかなと。あとは消費地である名古屋に近いので、野菜を作ってから販売がしやすいことも大きいです。
小さい頃からこの町で育ち、18歳頃から名古屋の方に、スノーボードを始めてからは北海道や⻑野、海外に行っていたので「冬の山の方に住むのもいいかな」と一時期考えたこともありますが、やっぱり雪に覆われてしまったり、別の仕事をしないといけなくて。美浜町なら一年中農業ができるので、これは本当にいいと思います。
美浜町の農家には個性的な人が多く、それぞれ自分で勉強をしていて、農業のやり方や販売の仕方もそれぞれ全然違うので、勉強させてもらっています。
美浜町は、海もあって山もあって、車を走らせれば町や名古屋にも出られるので、外で遊んだりゆっくり過ごしたい人には、本当に居心地がいい町です。今、子供が1歳で、畑に来るとすごく喜んで、何もなくても石ころ一つとか野菜を見て喜んでくれるので、畑をやっていてよかったなと思います。