父親が長年続けてきた蕎麦打ちの趣味を生かした、地元に愛される手打ちそばランチのお店。野間大坊の楽市などマルシェでのドリンク出店や、お母さんに安心してご飯が食べられると評判のキッズスペースも人気です。
この建物は、父が趣味でやっていた蕎麦打ちのために作られて、月に2回くらいしか使っていませんでした。まだ建てて10年も経たないと思います。もともとは父の建築会社の建材を入れておく倉庫だったところに、解体した家の柱の材料などを持ってきたりして、庭や内装も父の好みで作られていました。
この建物、使っていなくてもったいないなとずっと思っていて、それで、父も現役から引退することになって時間もできるのと、蕎麦も、地域の皆さんから「食べたい」と言われることもあったので、そういうこともあって、一緒にやってみようかなと思いました。今は私が雑貨なども置いたりしています。
子育て中のママに来て欲しいので、キッズスペースなど、子連れの人向けのスペースを用意しています。最近は予約のときに「空いていますか?」と聞かれたりするようになりました。お客さんは地元の方が中心で、リピーターの方が多いです。父の蕎麦が目当ての方や、赤ちゃんがいる方で「店内が広いし、ゆっくりできるから」と来てくれる方もいます。
メニューはなるべく2カ月に1回くらい変えています。野菜も変わってくるし、季節に合わせたものを食べてもらえたらと思って。野菜は近くの畑で母が作っているものをもらったりしています。なるべく母が作った新鮮な野菜を使いたいと思っています。
美浜町に住んでいると、よく食材のおすそ分けをいただくことがあります。母が豊浜出身なので、ひじきをもらったり、知り合いからいちじくや果物も、たくさんいただいたりして。そういうこともあって、出店の時に出している手作りのジュースも、できる限り地元産のものを使っています。摘果みかんを使ったジュースも出しているのですが、それも農家さんから譲っていただいています。季節によって甘夏やレモン、柚子茶を出したりもしています。
マルシェなどへの出店も、野間大坊さんの「大坊の楽市」や野間の「古⺠家ウォーク」のような、地元のイベントにだけ出ています。声をかけていただいて頼まれれば出店することもありますが、美浜町のことが好きだし、あまり遠くのイベントには出店しないようにしています。
週末はイベントの出店以外では、子どもの行事があったりすると、そちらに行ったりします。平日は、出店の準備をしたり、カフェの営業をして過ごしています。お店はたまに妹も手伝ってくれます。ランチのデザートはお菓子作りが得意な友達に作ってもらい、お店も手伝ってもらっています。家族や周りの人にすごく助けられながらやっています。
子どもも一緒に巻き込んでお店を手伝ってもらうこともあります。一番下の娘が夏休みのときには随分手伝ってくれて、その時はとても助かりました。きちんと配膳して、すごく人見知りだったのに、お客さんに「何年生?」と聞かれたりして、話せるようになりました。お客さんに対する接し方も勉強できたと思いますし、家ではできないことをやっているので、成⻑してるなと。「こんなこともできるんだ」と発見できたこともあります。
今は長男が受験生で、塾に行っていて夜 時とか遅くまでやっているので送り迎えが大変です。下の子たちと生活のリズムが違うのでご飯をいつも作っている感じです。
子育てが落ち着いたら、きちんと定期的にお店も開けて、蕎麦だけでなく、もっと他のメニューも増やしたいなと思っています。
子育てする環境として、私は地元で、両家の親も健在なので、本当にみんなにみてもらっている感じです。移住してくる方にも、そういう安心して子育てができるバックアップがあるといいかなと思います。私も話を聞いたり、いつも「何でも聞いてください」という気持ちではいます。そういうお店になれるといいですね。